痴漢電車 うごめく指のメロディ ★★★★

Ayaが田舎者でどんくさい主人公を演じている。いままで今作とは正反対の男勝りな役しか観たことが無かったので驚いた。所有物に自分の名前をひらがなで書いたり、岩手弁でしゃべる彼女はチャーミング。Ayaと中田二郎のラヴロマンスには不和が無いが、ミュウと牧村耕次のすれちがいから再生までの物語に二人が関与することでそれを補っている。こうした映画で相手役を務めることができる若々しい中田二郎は貴重な存在だ。ロケを上手く活かして走るシーンが多用されていたり、方言が単なる笑いのネタではなく、“素のAya”の言葉使われているのが素晴らしい。好きな相手には標準語で話して、それが心を開いていないためと表現されている。電車マニアのサーモン鮭山と結城リナの絡みは“連結”“オーバーラン”などの台詞が出てきて少し可笑しい。エンディングでキョロザワールド「水面花」が流れる。