中川准教授の淫びな日々 ★★★★★

平沢里菜子が父親を恨む娘を好演。家族を崩壊していく姿を観ていると恐ろしくなってくる。
レイプシーンが多くて普段なら好きになれない内容なのに、傑作だと感じたのはそれなりの理由があったからだと思う。酒井あずさは平沢に見下したような態度をとるし、藍山みなみはレイプされる直前まで彼女に同情しようとする無邪気さが癪に障るしね。全体的に不穏なトーンの中、食卓の下で平沢が足で伊庭圭介の股間をいじくっているのを那波隆史が気がつく流れはコメディチックでとても印象的。伊庭は情けない男役が上手い。酒井をレイプした後、「駆落ちしましょう」なんて言うから笑った。別に死ななくてもいいのに。世志男のむさ苦しさが藍山の体をむさぼるシーンは屈辱的すぎてたまらない。綺麗なものが完璧に汚される感じ。ラストシーンに講義でその時の映像を使う那波隆史の壊れた感じ。本作を観て自分の中での背徳の基準が上がった気がする。