わいせつ性楽園 〜おじさまと私〜 ★★★★

こういう回春物語にはなぜか惹かれる。人生に対して諦めない強さを感じるからかなあ。
水無月イカパニック障害で薬を服用していたり、リストカットしたり、彼氏にDVされたりと、やたらと流行りの言葉や現象が出てくるのが印象的。そんな彼女に反応するように生命力を取り戻していく野上正義は最初から年齢を感じさせない若さがあった。若者に対する偏見が無くて、やたらと精神が若々しいんだよなあ。あの年で若者と会話が成立するっていうだけでも凄いことだと思うし、見習いたくなる。大河原ちさとの脚本は素晴らしい。彼女にオレンジレンジを聴かせてもらった瞬間のびっくりしたような顔が眩しい。水無月鬼束ちひろに似ているので本作には適役だと思う。口調がやたらと飄々としているのも、いまどきの若者感を出すのには手っ取り早くて良かった。シュシュを手首につけているのは壺にはまった。
里見瑤子と山口真里の姉妹のセックスが其々切り替わるシーンは、二人とも本作では唯一の絡みだけに気合が入っていて迫力がある。里見はテニスのコーチとテニスウェアでイメクラみたいなプレイをしているし(コーチの「ペニスとテニスは似ている。グリップをしっかり握って、ボールから目を離さないで」って言う台詞や、里見のリストバンドが最高!)、山口は夜中の職場で部下に高圧的なセックスをしていてたまらない。特に山口はロンブーの田村淳みたいな表情とサディスティックさがあってとても似合っている。妻を亡くした老人に娘二人という、はぐれ刑事純情派みたいな家族構成も好きだ。野上が勃起した時の効果音もシャキーンっていう音でコミカル。