教師失格 濡れて流れて ★★★★

生徒役の中村拓(つるの剛士似)が妄想で教師役の佐々木麻由子と絡むシーンは「Vogue」のイントロみたいな曲が流れてスリリングだった。高音シンセが女教師の艶めかしさを掻き立てる。佐々木が岡田健一郎を父親と思いこみまぐわう姿は、性的虐待された人の心の傷を見ているようで、観ていてつらくなる。中村の彼女役の手塚美紗は佐々木を想う彼を嫌ったりしないで自らセックスを求めているところが健気だった。また、見苦しい嫉妬心を見せないから、岡田健一郎の事実を知ってそれを佐々木に電話するときの淡々とした口調は彼女の憎しみがひしひしと伝わってくる。佐々木がバラバラにされた岡田入りのゴミ袋を捨てるシーンは、BGMのブルースギターが“殺られてしまった感”を過剰に出していて、衝撃は感じられずむしろコミカルさを感じた。