鬼木雄二@西荻窪三人灯

久し振りに鬼木雄二のライヴに行ってみた。会場の三人灯はバーとレストランが混じったような感じの場所。二階がライヴスペースとなっている。
4畳くらいの演奏スペースに勝井祐二、POP鈴木、そして鬼木雄二が登場。三人ともこの日のむし暑さが伝わってくるラフな風貌。
今回印象的だったのは勝井祐二がやたらとしゃべっていたこと。3月に同会場で行われたライヴはほどんどMCだったらしく、そのほとんどを彼がしゃべっていたとか。以前見た時は寡黙でストイックな感じだったのに!3年間一緒にライヴをしてきて慣れてきたのでしょうか。
あと勝井が昔歌詞を書いて自ら歌っていてことがあり、その歌詞のテーマが“別れ”の一つだけだったことに気がついて「このままでは世界と繋がれないのでは?」と思って楽器に専念するようになったっていうのも印象的だったなあ。鬼木もテーマが“別れ”で同じらしい。
勝井の浮遊感あふれるエレキヴァイオリンにPOPのポップなブラシドラミング、そして鬼木のやさしい歌声ときれいなギターが狭い空間で重なり合う。なんて芳醇で贅沢な時間なんだろう。9月10日にリリースされる新作『Sister Worlds』からの曲やその次のアルバムに収録される予定の曲まで披露してくれた。「Nameless」は名曲だ。アンコールでピーター・ガブリエルの「Here Comes The Flood」をやってくれたのが最近ピーターづいていた身として嬉しかった。彼らの音楽を聴いているとふわふわしてきて目の焦点がぼやけてくる。頭上に降り注ぐ冷房の風と階下から昇ってくる料理の熱気が混ざってやたらと心地よいライヴだった。『Sister Worlds』は18歳くらいの時に書いた曲も入っていて、鈴木祥子原田知世も参加しているらしい。