Benji Hughes 『A Love Extreme』 ★★★★★

ベンジー・ヒューズの1stアルバム。2枚組全25曲68分
チャールズ・ダグラスを彷彿とさせる脱力もっさりヴォイスと歌心溢れるポップな曲がてんこ盛り。たまらない。引き籠ったアンドリューW.K.というか、人懐っこいベックという印象。
「Tight Tee Shirt」の歌に乗ったモコモコしたベース音、「You Stood Me Up」のサビ直前のヴォーカルの過剰な重ね具合、「The Mummy」のグイグイ上へ引っ張る歌のメロディライン。そして「I Went With Some Friends To See The Flaming Lips」のわくわくするドラムとベースの絡み。どれも愛おしい。好きなミュージシャンの仲間入り。ジョーイ・ワロンカーがドラムで参加しているのもうれしい。
33歳になるベンジーはいきなりデビューしたわけではなくて、本作でも「Vibe So Hot」でギターを弾いているジョナサン・ウィルソンと元々マスカダインというユニットを組んでいて、97年に『The Ballad of Hope Nicholls』というアルバムを出している。でもそれをちょっと聴いてみたらあんまりぱっとしなかった。やっぱり人間は30からかなあ。映画『Walk Hard: The Dewey Cox Story』の「Let's Duet」も彼が書いたらしいしね。