モテる男のコロし方 ★★★★

監督のベティ・トーマスは『アイ・スパイ』や『ドクター・ドリトル』の人。
ブリタニー・スノウは名前が同じだからと言うわけではないけれど、将来ブリタニー・マーフィーのようになりそう。女三人組みに言いなりになっている姿は少し『クルーレス』の彼女を思い出した。
モテ男のジェシー・メトカーフが『くそみそテクニック』の阿部高和に似ていて笑った。次々と降りかかる逆境を好転させていく彼のカリスマ性には恐れ入る。彼を騙すつもりのブリタニーがその魅力にまんざらでもなくなっていく様子がリアル。
彼がエストロゲンを摂取したらとたんに女性っぽくなるんだけど、その女性っぽさが「女性監督が考える発情期の男の女性観」を浅く描いてもので限界を感じた。あと最後のパーティで映し出される時計を渡したときの映像って一体誰が撮っていたんだ?
アシャンティが意外と演技上手で驚いた。『チアーズ4』があるのなら主演でお願いしたい。彼女ならガブリエル・ユニオンみたいな魅力的な女優になれるかも。アリエル・ケベルはジェシカ・アルバジュリア・スタイルズを混ぜた感じで気に入った。
皆開き直るラストはすがすがしい。また、こんなにパワー・ポップがガシガシとかかるラブコメは久しぶりで、ピープル・イン・プレーンズやナダ・サーフ、ライロ・カイリーらの音楽が使われているのも嬉しい。自分を偽るのは良くないというメッセージという点では『ひみつの番人』が好きな人も気に入ると思う。