アメリカ旅行記

2007年11月30日から12月4日までのアメリ旅行記です。目的はライブと映画鑑賞。長いから御注意。

一日目
成田空港到着。両替して、デトロイト行きの搭乗口を目指す。飛行機なんて高校の修学旅行の沖縄以来だからわくわく&緊張。バックパックは預けることに。機内には外国人が沢山(当たり前)。映画のモニターが座席に無くてスクリーンが前方にあって残念。不味いという事前情報に反して機内食が美味。端三列の通路側の席だったけど、俺だけだったのでゆったり。
映画はまず「Psych」http://www.imdb.com/title/tt0491738/
が流れた。ドラマのようだ。吹き替えではなかったのでイマイチ理解できなかったけど、サイキックが事件を解決していく話だと思う。主人公が能力を使って感じ取っていく際の素早い映像処理がまさにサイキックな感じだった。
What it takes:John Travolta
いつみても波瀾万丈」風な番組。そこまで思い入れのないトラボルタの半生をさらえて嬉しい。「ベイビートーク」は低予算映画だけど、90年代の彼にとって重要作であると紹介されていた。 「フェノミナン」も観なきゃ。

あと「ヘアスプレー」の舞台裏映像も流れた。たぶんDVDに収録されるのと同じだと思う。

続いて「ライセンス・トゥ・ウェディング」と「Nancy Drew」、「No Reservations」が流れた。全部吹き替え。
「ライセンス・トゥ・ウェディング」はこの間観たばかりだったけど、指輪のメッセージが字幕版だと「ずっと一緒かよ」みたいなのに対して、吹き替え版は「おなら」がどうだこうだで全然違って面白かった。っていうかラストの砂に書いたメッセージって絶対読んでないよな。
「No Reservations」はゴスなベビー・シッターが壷に嵌る。「Nancy Drew」を観て、主人公にとって探偵することが生きることなんだと思ったけど、この映画の主人公は料理することが生きることになっている。頑なになりすぎている彼女を解きほぐすの時も料理がそばにある。俺もいつか「空腹は幸せの始まり」なんて台詞を吐きたい。破水が効果的。「レシピは作るもの」っていう台詞もグッときた。「ライセンス・トゥ・ウェディング」といい、最近ボブ・バラバンづいている。

アメリカ上空で外を観たら一面氷の世界で慄く。今思えばアラスカのほうだったのかな?着陸時の頭痛に苦しむ。

デトロイト空港
入国審査の列に並んでいたら前に日本人がいたので少し話す。その人の目的地がケンタッキーだったので乗り継ぎのジェット機も一緒だということが判明した。友達に会いに行くらしい。
入国審査で黒人のおばさんに目的等を聞かれる。
「何しにきたの?」『コンサートを観るためにきました。』「誰の?」『ボブ・ポラードのです。』「誰それ?何日間いるの?」『三日間です。』「アメリカ初めてなのね。楽しんできなさい。」

ということで問題なく終了した。両人差し指の指紋と虹彩を取られる。回転寿司のようにくるくる回る荷物を確保。全然見つからなかったので目印付けとけばよかった。その次の税関で会話がかみ合わず失敗。
異物検査するために靴を脱いで探知機を通過。その間にさっきの日本人がラテン系の男にやたらと話しかけられていて忙しそうだったのでさっさと搭乗口へ進む。今回荷物は預けないで持っていくことに。
動く歩道の側壁がカラフルで音と色がころころ変わる。自販機でペットボトルの水を購入。ペットボトルは750ml位で大きい。
シンシナティ行きのジェット機に乗る。横四列で小さくて不安になる。上空から見える風景は親しみ深い畑が沢山ある街並み。

シンシナティ到着
ここで荷物を取り損ねて、ジェット機に戻ったらパイロットに「お前の荷物はバゲッジ・クレームに行ったよ。ナップザックだろ?」と言われる。バゲッジ・クレームを探して通行人に道を聞いた。バゲッジ・クレームにたどり着くとくるくる回るナップザックが一つ。パクられなくて良かった。

空港の外に出てタクシー乗り場で待っているとタクシーが来ているのに前の人が乗ろうとしないので「乗らないの?」と聞いたら「別のタクシーを待っているの。」とのこと。どうやら事前に呼び出していたみたい。そこから会話が発展。
「火ある?」『煙草吸わないのでない』「どこ行くの?」『Travelodge』「私もそこだから一緒に乗って料金折半しようよ」『OK』
ということで一緒に乗ることに。リリー・アレン風の女性だったのでなにかトラブルがあっても対等に渡り合えるのではないかと思った。今思えば危機感の無い行動だ。
タクシーの中でわくわく。高速道路からの風景がやたら彩られて見える。看板にレキシントンって書いてあるのを見ただけで高揚。

Travelodge到着
女性が先にチェックイン。どうやらドイツ人らしい。俺もチェックイン。カードキーを渡され、6:30から9:00まで朝食が食べられるということを知る。俺は214号室。っていうかこのモーテル全体に独特の臭いが漂っている。草っぽい。生野菜のような新鮮な臭い。
部屋に入ったらベッドが大きくて驚いた。キングサイズとは聞いていたけど、これほどまでとは!まさに王様。枕三つもいらない。風呂がないのが残念。PCが無いのは誤算だった。映画のプログラムや住所を印刷してきて良かった。

少しくつろいで早速AMCシアターへ行く。歩いて二分位のショッピングモール内にあった。場所はグーグルマップで調べていたのであまり恐怖感は無かった。モールの真向かいにライブ会場となるSouthgate Houseもある。
モーテルから映画館へは押しボタン式の信号を三つも使わないと安全に渡れない。このボタンが大きい。野球の球を半分にした感じ。青信号が白色。すぐ赤になるので走って渡った。アメリカ人は歩幅が広い。

モールの中にはいろいろな建物がある。ブリトー屋やアイス屋、寿司屋、本屋、水族館等、映画館がある建物は吹き抜け三階建て。一階がチケット売り場で、クレジットカードで買える機械もあったのでそこで購入。映画館は20個もスクリーンがある大きいシネコンhttp://www.moviewatcher.com/theatres/theatre_information.jsp?unit=665

定刻になるまでスクリーンには○e○○u○fみたいな穴埋めクイズが流れている。あらすじも横に出ていたので明らかにBeowulfだと思った。何か当たるみたい。映像とは関係なくラジオ放送らしきもの流れていて、グーグー・ドールズの「アイリス」がかかっていた。DJ曰くベスト盤が出るとのこと。結構いい曲。

最初に観たのは「Hitman」というティモシーのバーコードハゲ殺し屋映画。ゲームが原作らしい。定刻になっても全然始まらないので不安になる。三十分位CMを見せられた。
Scionっていう車メーカー(トヨタの海外向けブランドらしい)のCMはビートが太すぎて凄い迫力。やっぱ本場は違う。カンフー・パンダが「Silent is Golden」と言う上映中の注意を促す映像も流れた。パンダが携帯を弄る一人芝居等する。客にかなり受けていた。日本だけかと思ったらアメリカでもこんなのあるんだね。流石に海賊盤撲滅のCMはなくて安心。映画の予告編も流れた。
「Walk Hard: The Dewey Cox Story」
ジョン・C・ライリーボブ・ディランの真似が楽しい。
「Jumper」http://www.jumperthemovie.com/
ピュンピュン瞬間移動しまくる!これは観たい!どこでもドアが好きな人は気に入ると思う。
「Wanted」http://www.wantedmovie.com/
アンジェリーナ・ジョリーが眉間に皺を寄せて仰け反りまくる。面白そう。彼女の出ている映画で楽しみなのって始めてかも。コモンも出てくる。
「The Bucket List」http://thebucketlist.warnerbros.com/
ジャック・ニコルソンモーガン・フリーマンがスカイダイビングしたりしてやり残したことをやりまくる。これすごい楽しみ。
映画を観終えて、ホットドッグを食べる。日本よりも肉が獣。パンは美味。シャワー浴びてテレビで「ペナルティ・パパ」を観つつ就寝。


二日目
6:00位に起床。観たかった「Lars and the Real Girl」はAMCではなくてEsquire Theater http://www.esquiretheatre.com/でやっていると事前に調べていたので上映時間の確認の電話をしてみる。幸い音声案内だったのでメモる。この日はライブがあるので次の日に行くことにした。
朝食。一階の角部屋に飲み物やドーナツが置いてあるセルフサービス方式。オレンジジュースが美味。ドーナツも無味のものがサッパリしていてコーヒーに良く合う。砂糖まみれのものもジャンキーでおいしい。
テレビを見たらエイズ特集だった。親を亡くしたアフリカンアメリカンの三人の子供たちが小屋の前でポテトチップスを食べている姿が映し出される。この子たちもエイズらしい。

映画を観る前に本屋に寄る。洋書沢山(当然)。ロバートのインタビュー記事があるMAGNETと、情報を得るため映画雑誌のEMPIREを購入。ネットでインタビュー記事を読んだOn the Radarも買おうと思ったが新しい号だったので止めた。MAGNETは4ドル位だけどEMPIREは10ドル位して高い。土産の目星をつけるために物色。
本屋の中に試聴機にCDのバーコードをかざすと何でも聴けるという素晴らしい仕様のCD屋も入っている。「Across the Universe」のサントラを買う。

AMCで「August Rush」と「Awake」、「Dan in Real Life」を観る。「Dan〜」は特に客の受けが良かったなあ。
予告編で気になった映画について書く。
「P.S. I love you」http://psiloveyoumovie.warnerbros.com/
仕込みが凄い。俺もこれぐらいマメにならなきゃいかんわ。リサ・クドローキャシー・ベイツが出ているので楽しみ。
「27 Dresses」http://www.27dressesthemovie.com/
ジュディ・グリアエドワード・バーンズが出ている時点で楽しみ。キャサリン・ヘイグルが少しさかな君に似ている。
「Perfect Holiday」http://www.theperfectholidaymovie.com/
クリスマス映画。ガブリエル・ユニオンがメイン!テレンス・ハワードも出てくるから劇場で観たい。
「Alvin and the Chipmunks」http://www.alvinandthechipmunksmovie.com/
ジェイソン・リーシマリスの丁々発止が堪らない!

映画館の売店でピンクレモネードを購入。店員の少年が何度もSirっと言ってくれてしっかり教育がされていると感じた。

時間が余ったのでモールに隣接している水族館に行く。初日に出会ったドイツ人女性もここに行くって言ってたし、結構有名みたい。一番気になったのが水中にカブのような野菜が取り付けられていたこと。サンタの水中撮影もしていた。熱帯雨林ゾーンで鳥が放し飼いになっていて危く頭に乗られるところだった。出口は土産所。ロゴ入りマグカップ等、日本の水族館の土産とほぼ同じ。

水族館の後といえば寿司だけど、せっかくのアメリカなので我慢。近くにあった上品な感じの「寿司バー葵」はドレスコードがありそうで躊躇ったっていうものある。
ということで昼飯にMoe'sというところでブリトーを食べる。そのブリトーが太過ぎてテンションが下がる。ティッシュの箱ぐらいの容積!添えられた無味のトルティーヤチップスもイマイチ。冷たい野菜の臭いがモーテルを思い出させる。紅茶もかなり甘い。アメリカで太らないのは尊敬できることだ。自炊しないと簡単に太る。

18:00位にSouthgate Houseに行ってチケットを貰おうとしたら20:00から受付開始とのこと。この時ロッカー及びクロークがないことも確認した。入り口右手はビリヤードルームで、左手はバー。

いったんモーテルに帰って時間を潰す。ディスカバリーチャンネルで男が砂漠の蜘蛛を食べていてグロい。時間になったら薄着にしてからライブハウスへ。

階段を下りると体育館みたいな大きさ。周囲を囲むように二階がある。
隅で佇んでいると、ギタリストのダグ(not gillard)に話しかけられる。「どこから来たの?」『日本です。』「凄いな。そうだいいものがある。」と言って奥へ行って取り出してきてくれたのはポスター。「これはレアものだよ。」『有難いけど、クシャクシャになるのでライブ後に貰えると嬉しいです。』「わかった。あとで声をかけてくれ。」という会話で終了。思いがけないプレゼントに高揚していたら物販を並べている人物に見覚えが。クリス・サルサレンコだ!声を掛けてみる。Tributaryの話等をする。傍にいたRichTをケヴィン・マーチと間違えてしまい謝る。

SGDのジャケットを拡大したものがステージに貼り出され、俄然テンションが高まる。最前列で待っていると、隣の人が話しかけてきた。その人はニューヨークから来たらしい。日本から来たと言ったら驚いていた。前日のライブも見たとか。「ほとんど新曲ばかり、でもGame of pricksもちゃんとやったよ。」とか「I am a scientistの歌詞を忘れて客に歌わせていたよ。(笑)」と言っていた。日本のバンドで知っているのは少年ナイフとThe 5.6.7.8's位で、アメリカのバンドではSpoonとHold Steadyがお勧め!とのこと。その人とはトッドのプロダクションの話とか、俺自身そんなに流暢に喋れないのにも関わらず会話がいろいろと出来て驚いた。ファン同士の意思疎通能力って凄い高い。

どんどん人が集まってきて、色んな人に話しかけられて握手しまくる。「凄いわね!私イギリスから来たけど、あんたの方が凄い。」等日本から来たことについて皆驚いている。「このライブのためだけに来たの!?To see Bob!? Awesome!」なんて何度言われたことか。ファンがこんなにもいい人たちだったなんて感激だ。そうこうしているうちに前座のDeath of Fashionが登場。

いかにもニューヨークな感じの太いボーカルと蝶が飛び立つときの効果音に使われるような甲高いギターの音色とメロディアスなベース。彼らってピクシーズ好きそう。

ライブ終了してからも色んな人に話しかけられる。Disarm the Settlersという掲示板のハンドルネームを呼び合っていて、誰が誰で・・・みたいな説明をしてもらう。

酒のバケツが用意され、いよいよロバートのライブ。ロバート以外のベースのジェイソンとドラムスのデヴィッド、ギターのミッチとさきほど話したダグが登場。客側からみて左からダグ、ジェイソン、デヴィッド、ミッチの順番。ジェイソンが若いころのロバートそっくりの顔で驚いた。

そしてロバートが登場!こんなに間近で見られるなんて!色が白い!周りのみんなが「こいつ日本から来たんだよ!」って言ってくれて、ロバートがガッシリと握手してくれた!そのとき彼が「ブラ」と言っていたのが聞こえた。兄弟!?感激過ぎてライブ始まる前なのにもう平静を保てない中「Our Gaze」のイントロが流れる!もう素晴らしすぎる。ジェイソンのドカドカドラムにジェイソンのブリブリベースにミッチとダグのアンサンブル。ロバートのぶん回すマイクが顔を掠める時の風が気持ち良い。ジェイソンのベースのネックが何度も顔に直撃しそうになる。近い、近いよう。新作の中で其々一番聴きたかった「Pill Gone Girl」と「Life Of A Wife」もやってくれて嬉しい。「Pill Gone Girl」はあの切れ味のあるギターフレーズが再現されていて痺れたし、「Life Of A Wife」はひたすら優しい。サーカス・デビルズの「Love Hate Relationship」までやってくれて、かっこよかったのに驚いた。サーカス・デビルズ名義でツアーして欲しい。

テキーラを観客に渡して飲みまわして、結局三本は空けてたなあ。客から貰った毛むくじゃらな帽子をかぶった彼は可愛らしい。

ハイライトはジェイソンがギターに持ち替えて弾き語りの「Now to War」。この曲で特に感じたんだけど、ロバートはやっぱり歌が上手い。繊細なんだけどすごい力強くて心を揺さぶられる。文字で上手く表現できないのが悔しい。

「Game of Pricks」ではテンションが高まった客がステージ上がって歌いだす始末!「Picture of Lily」のカバーまでやってくれるなんて!陶酔感あふれる「Recovering」で終了。

セットリストも手に入れることができた。それによるとこの後にも「Motor Away」と「Girls of Wild Strawberries」をやる予定だったみたい。ロバートが限界だったから止めたのかな?客は70人位しかいなったようだけど凄い押しが激しかった。

ライブ終了後の会場はビールの空き缶だらけ。近くにいた人にsalute写真を記念に撮って貰う。既に大男による会場の掃き出しが始まっていたけど、ダグがいたので話しかけてみる。周りにいた関係者に「こいつは日本から来た」と言うことを伝えてくれて、ロバートに会いたい旨を伝えたら、なんと物販の裏の廊下まで連れて行ってくれるとのこと!

嬉しすぎて涙が溢れてくる。会えるんだあのロバート・ポラードに!ライブを見れただけでも満足だったのに、こんな奇跡が起こるなんてまさか思っても見なかった。嬉し涙なんて初めて。感極まるってこういうことなのか。最愛の人に会えたときってこんな感じなんだろうなあ。

色んな人に「泣くな泣くな」って言われた。特にある女性はすごい親切で、椅子に座りなさいなんて言ってくれて気を使ってくれた。バンドメンバーが次々と帰ってくる。デヴィッドには「お前歌詞を全部覚えていて凄いな!」って言われた気がする。最前列で口パクでずっと歌っていたのが見えたみたい。色んな人と抱き合う。

ステージ横の奥にロバートはいるけど泥酔していて出てこれないらしい。女性に「あの大きい人がHeed(ファンの間で有名なロバートの友人)よ。そしてそのそばにいるのがジミー。ボブの弟よ。初期GBVメンバーの。」と教えて貰い、そちらへ行ってみる。ジムはロバートよりがっしりしていてでかい。流石元バスケット選手。彼に缶ビールを勧められて飲む。まるで水みたいに薄い。日本から来たと伝えると、驚いて笑っていた。そしてロバートが出てきた。涙は枯れ果てていたのでただただ舞い上がる。
ライブの始まる時と同じように手のひらの指を絡ませて握り合う。「あなたに捧げます」と自分の曲を詰め込んだCDを渡した。制約上99曲しか入らなかったけど、時間は60分位のやつ。「お前が書いたのか?」『はい。私が書きました。MTRで作りました。』って言ったらグッと抱きしめてくれた。もう信じられない。幸せなんてもんじゃない。今まで味わったことのない体中が震えるほどの感覚。絶望じゃなくても体って震えることがあるんだ。記念に写真をとってもらう。一生の宝。

彼が奥に消えていき、そろそろ帰るかと思ったら、Death of Fashionのベースの人が話「最前列にいたね。覚えてるよ。どこから来たの?」と話しかけてくれた。日本からというと、是非俺たちもライブしに行きたいと言っていた。「俺たちのアルバム聴いた?」と聞かれたのでダウンロードしただけでCDは持っていないということを伝えるとただでくれた。なんて太っ腹。物販でHappy Jack Tを買おうとしたら12ドルのところを10ドルにまけてくれた。気前がいい。

会場の外に出るとファンがまだ沢山いる。そこでも話しかけられる。「お前icecreamcones(俺のDTSでのハンドルネーム。今はなぜかアカウント消去されて使用不能)だろ?」ってすぐに言い当ててくれる人もいた。俺が事前に日本から来るって書き込みしたのを読んでいた人だ。
「どこに泊まってるの?」と聞かれて答えると、「あとでパーティがあるから部屋番号教えてよ。」と言われて教えたりしていたらポスターを貰い損ねたことに気づく。でももういいやと思った。それ以上の思い出が残ったし。階段を下りるとジムがいた。彼に近づくと、「おっ!こいつ日本から来たんだよ。」と周りの人に紹介し始めた。そうしたら「ジムの妻です。」なんて奥さんにまで挨拶された。彼女に「To see Bob? From JAPAN? Are you Crazy?」って言われたので「Yes I'm crazy.」と答える。

モーテルへ小走りで帰る。どきどきが止まらない。モーテルの中でも男女に話しかけられて、女性の方からは「フランス語話せる?」とフランス語で話かけられる。フランス語なんてからきし忘れていたのでやぶれかぶれに唯一覚えていたフレーズ「Je t'aime」と答える。馬鹿すぎた。「誰を?」と聞かれたので「日本のガールフレンドです。」と答えてその場を濁す。恥ずかし。

部屋に着く。嬉しすぎて叫ぶ。ポッケにいれていたお守りのグミキャンディを少し食べる。布団の中でライブ会場での出来事を反芻して涙が再びこみ上げてくる。ふと2005年に観た「彼女は夢見るドラマ・クイーン」という映画を思い出す。ファンの気持ちが前面に押し出された映画。巷の評判は良くなくて、その年のベストに選んだときは少し躊躇いもあったけど、「自分がいいと思ったんだから自分に正直になろう」という意気込みで選んだ。今日の体験はあの映画が現実になったみたい。ブログやったり、宅録したり、ファンサイトやったり、いままでの自分の考えてきたことやってきたことがこの日の全てに繋がっていたんだということに気がついて、一瞬でも自分自身筋の通った生き方が出来たっていうのがめちゃくちゃ嬉しかった。そしてこれからも人からどう思われようと自分に正直に生きようと思った。それでしか得られない人生があるんだって分かったから。

結局パーティには呼ばれず(疲れて気がつかなかっただけかも)、眠りこける。

3日目
朝シャワーを浴びてさっぱりする。朝食のドーナツを食べる。今日はシナモン風味のやつを頂く。アメリカってヘルシーなものと甘いものが極端すぎる気がするなあ。

テレビでは立てこもり事件と強盗に射殺されたアメフト選手のことばかりがやっていた。
通販番組は日本のとそっくり。アメリカでも電話番号を歌に乗せているとは。あとEbayで金儲けしましたという怪しい番組がやっていた。鬱病の薬のCMは落ち込んでいる人が薬を飲んだらいきなり元気になって強力。あとトラクターのCMとかやっていて面白い。

AMCで「Mr. Magorium's Wonder Emporium」を観る。
その後映画館の売店で水を購入し、土産の本とカレンダーを購入。一旦荷物をモーテルに置いてから、モール近くのタクシー乗り場まで行き、 Esquire Theaterの住所を見せてそこまで行って貰う。シンシナティ大学に留学していた先輩の話の通り、橋を渡って大学に行くまではスラムっぽい不穏な雰囲気を感じる。
Esquire Theater到着。チケットは5ドルでAMCより遥かに安かった。(AMCは大体9ドル。「Enchanted」のような子供向け?映画はだいたい5ドル。)
上映まで時間があるので周辺をぶらつく。田舎の都会っていう感じ。少し歩くと商店街でもありそうな。スーパーに入る。トライデントとマルちゃんのラーメンを買う。化粧品から雑貨、食品いろいろ売っていた。チェリー味のダイエット・ドクター・ペッパーなんてあるんだね!ペットボトルも4リットル位ありそう。

周りには服屋や市民図書館もあった。時間になったので映画館に入る。ここは結構有名らしい。いままで上映した映画の目録が置いてあって歴史があることが分かった。
「Lars and the Real Girl」を観る。ダッチワイフが日常生活に入り込んでいるのは面白くて、観客もドカドカ笑っていたけど、物語の最後の方になってまで笑うのは感覚の違いを痛感した。俺は最後の方は笑えなかったなあ。素晴らしい映画だったので是非日本でも公開してほしい。

観終わってタクシーで水族館まで戻る。このときのタクシーでかかっていた曲がお経みたいな異様な曲で身の危険を感じた。でも無事に着き、「Enchanted」と「Across The Universe」を観る。「Across The Universe」はAMCセレクションって紹介されていたから期待したのにイマイチだったなあ。現地で最後に観た映画がこれで残念。

遅くまで映画を観ていたので終わったときには日付は次の日になっていた。川辺だからか、夜のニューポートは極寒。コートを買っといて良かった。

4日目
帰りの仕度をして6:30位にタクシー乗り場にタクシーがあるのか確認しようと外に出ようとしたらフロントの人がタクシーを呼んでくれるとのこと。7:00にモーテルに着くようにお願いした。
後を濁さずチェックアウト。レシートを見て電話代が加算されていないのが気になった。記念にフロントの人を撮影。
タクシーはミニバンみたいな形だった。航空会社を伝えて一番近いゲートまで行ってもらう。運転手が母親らしき人物と携帯で会話しながら運転していてヒヤヒヤ。危ないよ!お金を払って空港到着。凄いほっとしてチップを割り増しに渡す。
11:00集合なので時間が余る。ポテトチップスやメントス等のお菓子を買う。ポテチはトランス脂肪酸ゼロを前面に押し出しているのが印象的。食べたらあっさりしていてかなり美味。高級なのを買ったからかも。
本屋でソウルジャ・ボーイが表紙のSOURCEとボスとアーケード・ファイアのボーカルが表紙のSPINを購入。3ドル位で買えるなんて安い!

デトロイト行きのジェット機に乗る。今度は日本人が沢山いて萎える。今回は荷物をちゃんと受け取った。

成田行きの搭乗口まで行く。結構時間が短く焦る。機内映画は「サンタクロース3」と「シンプソンズ ザ ムービー」、「The Ultimate Life」がやっていたけど眠くて殆ど観れなかった。折角だからメモを其の侭書いてみる。「The Ultimate Life」以外は吹き替え。

「サンタクロース3」★★★
ハゲ親父の表情が面白く、彼のリアクションが冷めていて良い。彼が全てにおいてハイライト。北極ではしゃぎ過ぎ。ヨガ教室やってて笑った。カナダ人を罵倒しすぎで気になる。ジャック・フロストがサンタ妻を生々しく誘惑しているので笑えない。サンタがエンジニア。最後の「Join to the world〜」という歌詞の歌が良い。

シンプソンズ ザ ムービー」★★★★★
スクリーンの調子が悪いのか緑色に見えるので最初同じ作者の違うアニメかと思った。もしかしてグリーンデイが出てくるのでそれと引っ掛けているのか。すっぽんぽんのボーダーを見て「エロかっこいい」と言っていたのに笑った。ちんこ。

「The Ultimate Life」計測不能
メモなし。


追記:
メモし忘れていた予告偏
juno http://www.imdb.com/title/tt0467406/
サントラにたくさん使われているキミヤ・ドーソンがダニエル・ジョンストンみたいで気に入った。主演のエレン・ペイジも歌っているので映画も楽しみ。
ironman http://www.ironmanmovie.com/
洞窟から出てくる姿はロボコップかと思った。