Dan in Real Life ★★★★★

今まで観たスティーブ・カレルが出ている映画の中では一番面白かった。「エヴァとステファンとすてきな家族」が好きな人は気に入ると思う。俺の求める他愛なさが詰まった傑作。
アリソン・ピル!「彼女は夢見るドラマ・クイーン」ではぱっとしなかったけど、今作でコメディエンヌとして開花した感じ。しかもぎこちなさを保ったまま。これは今後が楽しみ。彼女はもちろん、恋に生きるブリタニー・ロバートソン(叫びが最高)、コラージュという重要な役目を果たすマーリーン・ローストンと子役がみんな可愛いのは俺にとって奇跡的。スティーブが恋してしまう弟の恋人役のジュリエット・ビノシュは全然そそらないけど笑顔が素敵。家族みんなで踊っているときにジュリエットの尻に欲情して悶えているスティーブが楽しい。
バーでのヘンテコダンスでの体のぶつかり合いから嫉妬の黒焦げのパンケーキを乗せられて見つめあう時の二人の表情の面白さといったらない。スティーブはちゃんと屋根から落ちるし、乾燥機の騒音が続く間の持たせ方も素晴らしいセンス。ハイライトはスティーブによる「Let My Love Open the Door」の弾き語り。
ほぼ全編に渡って使われているソンドレ・ラルケの曲の素晴らしさも本作の魅力を引き立てている。スティーブのほのぼのともっさりした感じをそのまま表現したみたいな「I'll Be OK」とか「My Hands Are Shaking」なんて今作にぴったり。レジーナ・スペクターとのデュエット「Hell No」なんてまるでスティーブとジュリエットのようだよ。ソンドレとスティーブってちょっと声が似てる。サントラもかなりおすすめ。