「ガール・ネクスト・ドア」

かなり面白い。なんでビデオスルーになったの?テレビドラマで注目を浴びるとこういう扱いなのか。オープニングの唇のドアップだけで面白そうな予感がするよ。
ビリー・ボブ・ソーントンを良いと思えたのは初めて。面白いくらいにワイルドだ。と思ったら違う俳優かよ。うりふたつだ。彼の名前を探してもクレジットにも無くて、てっきり本人の要望かと思ってたのに。
お、ハイ・フィディリティあの頃ペニー・レインと」に出てた子供がこんどはポルノ界に進出かあと思ったら違う俳優かよ。

キッカケをつかんだボンクラが、必死こいて自らの力でキャデラックの中で童貞喪失する。これはもうファンタジーに近い。主人公が電車男だったら、彼女が覗かれているのを知って家に向かっているのを観た瞬間に窓から飛び降りて自殺しそうだね。そんな電車男より遥かにこっち。
「俺はもてない」なんてやさぐれている文科系オタクどもよりけっしてやさぐれないこのボンクラたちの方が観ていて面白いぜ。
「俺のために寝てくれよ!」なんて言われるなんて、「あいつが出来たなら俺だって」と思うのかなあ。どうせやった話を聞いてズリネタにしたいんだろうけど。
「俺達は何だ」と聞かれたとき思わず「ボンクラだ」と心の中で答えてしまった。
彼女が出演しているポルノを観たあとの自宅での妄想と現実がなめらかに交差するシーンが面白い。でも母親が犯されそうになっているのまで妄想できるのはちょっとなあ。きっと彼は両親のを見たことあるんだろうね。
使われている音楽もロックの名曲ばかりだし、相棒がピート・タウンゼントジョン・レノンに似ている。ハイ・フィディリティあの頃ペニー・レインと」よりもロック映画。エミール・ハーシュジョン・キューザックみたいになりそう。「一人の、一人前の大人を作るためには、どれほど多くの人手が必要なんだろう」とかいう言葉を思い出した。
最後に「ちんこが小さい」と言われてもジョン・レノン似の彼はきっと笑顔でいた事でしょう。学生時代の素晴らしい思い出が残ったのだから。羨ましい。