Petra Haden『Petra Haden sings:The Who Sell Out』

元ザット・ドッグのぺトラ・へイデンがザ・フーの『セル・アウト』をアカペラ・カバーした作品。全14曲39分46秒。
今作のアイデアはミニットメンのマイク・ワットが彼女に提案したもの。彼女自身はザ・フーのレコードを一枚も持っていなかったくらいだから、ファンだったわけではないようだ。
96年のアカペラアルバム『Imaginaryland』は父親のチャーリー・へイデンが彼女に4-トラックレコーダーを渡したのがきっかけとなって出来た作品だったが、今回はマイクが1トラックの中にセル・アウトを入れて、残りの7トラックを空にしたカセット入りの8-トラックレコーダーを渡して製作が始まったそうだ。
「ハインツ・ベイクト・ビーンズ」の会話やジングルもコピーしていて楽しい。一番苦戦したらしい「夜明け」のリズムを口で再現しているのは圧巻。俺の大好きな「マリー・アンヌ」と「オドロノ」と「いれずみ」は歌が強調されたカバーで最高。アカペラで元々あったロマンチックな部分が強調されていて夢心地だ。
でもこれを聴いてフーのコーラスの素晴らしさを再確認した。実際このアルバムのコーラスよりフーのそれの方が分厚い。