三匹の奴隷 ★★★★★

最近緊縛に興味がわいてきたというのもあって壺にはまりまくった。
那波隆史に緊縛される三人は皆素晴らしいけど、その中ではコメディ・リリーフの真咲南朋が気に入った。他の女にも調教している那波に嫉妬して、彼の家に忍び込んでどんな女か確かめようとして、調教していたのが太った柳原可奈子みたいな黒木みらいで拍子抜けする。その後、上司の柳東史を縛って放置して「SMって笑えるね」という台詞で終わるという、本筋には絡まない軽みのあるエピソード。でもそんな真咲の物語を間に挟んでいるからこそ、友田真希と亜紗美の重い親子関係と上手くバランスが取れているし、海岸で磔になり「世界の果てに来てしまった…」みたいな台詞を発して深刻さが見えた友田の話と、母親と同じように海岸で磔になりつつも友田と比べてひょうきんささえ感じさせる語り口の亜紗美の話とを滑らかにつなげるには欠かせない。磔に使われていた柱を観ているとXの『Los Angeles』ジャケを思い出す。