痴漢通勤快楽2 濡れた終着駅 ★★★★★

冒頭の痴漢・神戸顕一が広川太一郎みたいにアフレコするから面白すぎる。伝説の痴漢・千葉誠樹は突起の付いた指輪を痴漢時にくるっと反転させるところが職人っぽい。“痴漢はしても強姦するな”や“スリか痴漢かやるならどっちかにしろ”という妙な倫理感だけど、一貫した考えを持っているから痴漢達から尊敬されるのも納得。“東京中を痴漢して廻った”っていうのは笑った。痴漢が職業になるわけないから仕事もしているはずだけど、それを一切見せないところが潔い。部屋に工事現場のヘルメットが置いてあるので十分説明できているものなあ。幸野賀一はニュー・ハーフの色華昇子に痴漢していて笑った。女装オカマが沢山いる映画館で映画を観ているから、こういう役者は親しみ深い。あと、痴漢されかかる役でほんの少し出てくる鈴木ぬりえは、辛酸なめ子みたいにヌメッとしていて存在感があった。亡くなった娘の幻影・河村栞がすばらしく美しい。幻影が美しく見えるのも、たとえ痴漢であれひたむきに生きてきたからこそだと思う。朝食の鮭のおいしそうなところも気に入った。

立て続けに佐々木麻由子出演作を観て、彼女は演技上手だと痛感した。本当に素晴らしい女優だと思う。上野樹里小泉今日子を混ぜたような感じで、大好きな女優の仲間入り。自分と誕生日が一緒で嬉しい。