つじあやの@草月ホール

会場の草月ホールは壁にカントリーマアムのようなものが沢山こびりついていた。
Live Girl2ということで、カヴァー曲中心の内容だった。ピアノ、シンセサイザー、ドラムス、ウッドベースエレキベース)のバンド編成。頭に赤い花をつけ、紫の衣装で登場したつじさん。冒頭は「come again」。雑踏のようなノイズを鳴らしながら始まった。ギターがいないからウクレレの音が映える。諸事情により収録できなかったというカーディガンズの「Rise & Shine」はとてもいい曲。関係ないけどトーレ・ヨハンソンと絡んだ「ありきたりなロマンス」はものすごく好きなので再び関わってほしいなあ。「丘を越えて」は張り上げて歌うから彼女の綺麗な声の魅力が満点なので聴けて良かった。この曲は坂和也の跳ねるようなピアノも楽しい。「ありえないくらい奇跡」は伊賀航がウッドベースからエレキベースに持ち替えて演奏。ギターがない分、曽我(トルネード竜巻!)のシンセが目立っていた。
NTT西日本のコミュニケーション大賞作品を読んで作ったという「Calling」という新曲も披露。「愛を知りたくて」風の曲で気に入った!次のアルバムに入れてほしい。あと、「戦場のメリークリスマス」の“君の名を 愛しき名を口にする”や“夢を見た 君の腕で眠る夢”でもそうだけど、この曲でも“ベルがなる 電話のベルが”で同じように名詞を繰り返していた。文字で読むと違和感があるけど、それが曲に乗ると意味がぐいぐい心に入り込んでくるから不思議。まさにつじ節。
清浦夏美に提供していた「僕らの合言葉」のセルフカヴァーは「ありえないくらい奇跡」のポップさを保ちつつ少し控え目な曲で素晴らしく、手拍子も相まってハイライトだった。大貫妙子の「都会」も大人っぽいシティポップスでいい曲。彼女の作品をもっとちゃんと聴こうっと。「ルージュの伝言」でもそうだけど、つじさんの甲高い声で歌われると返って情念を感じさせない分、生々しく歌詞の意味が伝わる。達郎タイムの一曲目「Down Town」ではつじさんがタンバリンを持ってステージを行ったり来たりしていて、ウクレレは絶対放さないものかと思っていたので少し意外だった。
スガシカオの「黄金の月」はその歌詞の素晴らしさに気がついた。なんて深いのだろう。彼の作品もちゃんと聴いていなかったのでこれから聴いてみようと思う。
「風になる」はフレーズの頭で毎回首をかしげて声を絞り出すところがたまらなすぎる。
アンコールラストは「星降る夜のクリスマス」。26日にこの曲をやるなんて切ない!MCはぬくいシーツが風で飛んで行って隣の施設の屋根の上に落ちていたというのが可笑しかった。リズムをプログラミングしてそれを多用していたのも新鮮。彼女のようにカヴァーをちゃんと演奏してくれるミュージシャンは貴重なのでこれからもいろんな曲をカヴァーしてほしいな。