リターン・トゥー・マイ・ラヴ ★★★

主人公が自分と向き合って成長するところはマイク・ホワイトの諸作に近いものを感じる。本作の脚本を書いたジェームズ・C・ストラウスには注目しようっと。彼が監督兼脚本の『さよなら。いつかわかること』も観なきゃ。
親に依存しつつもその親を否定している主人公が子供達に「過去は未来の答えじゃない」と言うシーンは痛々しくもグッと来た。本人がそのどうしようもなさを自覚しているだけに。
本作は『バス男』みたいな冷めたノリのギャグが楽しい。重苦しくなりがちな物語に静かに軽みを与えている。特に尿をネタにしたものが多く、尻の収縮で尿量の調節を表現したのは流石だ。主人公ジム役のケイシー・アフレックはいい男だけど、クセのある前髪が悉く垂れていて気になってしょうがなかった。彼がリヴ・タイラーの現実的な考えに直面してにっちもさっちも行かなくなっていく姿は照れで直視できない。親になるべきではない人ほど親になりたがるのかな?
いつも陽気で天然そうに見えるけれど実はしっかりしている母親役のメアリー・ケイ・プレイスは「Oh!」の言い方がまるで『バブル』のデビー・デベライナーのようで、田舎のおばさんっぽさを醸し出しまくっている。彼女は少し森口博子を思い出させるので、日本でリメイクするなら10年後の彼女が演じたら合いそう。