キャプテン・ズーム ★★

特殊能力をもつ子供たちがはみ出しものであるということがちゃんと描かれていないから応援できなかった。あと、彼らが打ち解けてから一回もその関係が崩壊しないので起伏がなくてつまらない。コートニー・コックスのツブツブ吐息もご都合主義に感じた。っていうかチェビー・チェイス演じる博士を集団でいたぶってケタケタ笑うこの子たちに特殊能力を与えたのは人類にとって大きな過ちだと思う。いつか大量殺戮しそうで怖いもの。
ベッキー似のスペンサー・ブレスリンが「ハットしてキャット」出演時の幼い面影を残しつつ成長していたり、スマッシュ・マウスの曲が多用されていたりして嬉しい。覚醒したティム・アレンがコスチュームを取りに行くためだけに猛ダッシュしてこけていたのが面白いけれど、彼の指が高速振動するのは卑猥だと思った。すばやく動く能力を失った状態でもその能力を維持していたのだから尚更。最後の戦いのCGの赤い煙の色使いはうっとりするほど綺麗。
ティム・アレン出演のコメディって2006年に本作含めて三作も公開されたのか。なんて働き者!出ている映画がつまらないだけで実は結構凄い人なのかもしれない。ティムがいなきゃコメディ映画界は寂しくなると思う。彼とスペンサーとゼナ・グレイ(!)が出ている「シャギー・ドッグ」も観なきゃ。
ティムってくたびれたサラリーマン役が似合うんだけど、今作は今までよりも若返った感じ。演技も余裕の貫禄が出てきたし、期待していない肉体の張りがある。デニス・クエイドや「2999年異性への旅」のギャリー・シャンドリングみたいに脂っぽくギラつきはじめた。年をとるとそうなるものなのか?とにかくこれからの彼に期待しようっと。