「Fake ID」 ★★

ストレートが少数派でゲイだらけ
オープニングで現れる石橋貴明風のゲイが圧倒的な存在感を放つ。この映画の安っぽさからすると彼が映画内で一番“はみ出し者”に見える。全体的に『チアリーダー忍者』を髣髴とさせる安っぽい感じで耐え難いが、自分がゲイなのかどうかが分からなくて不安になっている主人公がブリブリうなるベースをバックに「ゲイにしたげる」と穴に引き込まれそうになる葛藤妄想シーンや「オカマなの?」と聞かれて勃起するときのはちきれそうな効果音、女が自分をゲイだと疑っているのかと勘ぐる主人公と女との“カムアウト”を発端とする話の食い違いや、ラストの「自分らしくいれば愛されるのかな?」「夢の中ならな」という会話など、時折素晴らしい瞬間が訪れるので観ていてダレない。
かつては友人と「俺たち栄光の部外者」と二人組みで妄想していた主人公が一人になって部外者であることに戸惑っている。二人と一人じゃ偉い違いなんだな。
コミュニティにおいて、少数派に属する人々の不安、葛藤というものは、少数派がゲイの場合とストレートの場合でどのように異なるのだろうか?なんてことを思った。
テーマは面白いのでリメイクして欲しいなあ。