Hank 「How to Prosper in the Coming Bad Years.」

傑作
ハンク*1の2ndアルバム
アルバムの中に入っていた紙には“Featuring the Hank Collective”と書かれている。Hank Collectiveとはヴォーカルのカブ・ウィリアムソン以外のメンバーの7人の事を指すようだ。カブはUKでCab Williamson's Waxworksというバンドを組んでいたらしい。それからカナダのトロントに移り住んでHankを結成した。
まずなんといってもその曲の短さ(15曲で28分)が目を引く。ただ短いのではなくて、このくらいの短さであるべき曲ばかり。新鮮なんだけどほっとくとすぐ腐っちゃいそうで、耳に入る頃には腐りかけの美味さに満ちている。“腐りかけ”ってのは語弊があるかな。彼らの曲の特色である脳がとろけるような女性コーラス(一見甘ったるいのもほんのりした甘さではなくて練乳みたいなくどい甘さだし、チアリーダーの大群が押し寄せてくるような鬱陶しさもある。)と凄く野太いカブの声が相まって“金玉が縮み上がるほどのスリル”に満ちているっていう方が近いと思う。曲が短いっていうだけで体が反応する人におすすめ。
このアルバムも良いけど、もっと気に入ったのが1stアルバム「Ackrill/Venning‘91」に収録されている「Danes in Peril!」。綺麗なリフと野太いカブの声とハイテンションな女性コーラスがとても楽しい。これは俺の下半期のヘビーローテーション・ソングだった。また、サイトで聴くことのできるビーチ・ボーイズのカバー「Be True To Your School」もとても良い。
あとジャケットはメンバーのペイジ作の一点もの。彼らのこういったD.I.Y.精神やHank Collectiveっていうおそらくメンバーは流動的な集団をわざわざ設けているところがGBVを髣髴とさせて大好きだ。