Ed's Redeeming Qualities「It's All Good News」

Ed's Redeeming Qualities(以下ERQ)の2ndアルバム。91年発表。
この時のERQのメンバーと担当楽器は次の通り。
キャリー・ブラッドリー(バイオリン、ギター)
ダン・レオン(ウクレレバンジョー
ネノ・ぺロッタ(ボンゴ、クラリネット、米の入ったコーヒー缶)


彼らの音楽は基本的にフォークなんだが、牧歌的というには不穏な雰囲気が漂いすぎていて、なんとも形容し難い。あるインタビュアーの言を借りるなら、「ジョナサン・リッチマンゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツがニューポート・フォーク・フェスティバルでタッグを組んだ様な感じ」。

グループの中心人物であり、素晴らしい楽曲を提供していたドム・レオンは1stアルバム「More Bad Times」を出す前に死んでいる。
ERQは今のところCDではフルアルバム3枚とライブアルバム1枚を発表していて、各アルバムに少しづつドムの曲を織り交ぜている。このアルバムに収録されているドムの曲は"Lighthouse"と"The Letter"と"Christmas in Vermont"。フロントマンの死を抱えながらもこういった音楽活動を続けるって正しい供養の仕方だよなあ。
 
すっとぼけたインストの"She Ate the Fly"で始まり、「才能が無い」という徹底した自覚を踏まえたうえで「でもやる」という主人公が勇ましい"King of Calypso"や 男女のすれ違いの王道ともいえる歌詞の"Lighthouse"、脳みそにねじ込まれるようなキャリー・ブラッドリーのバイオリンの音が下手なエレキギターよりも効果的な"I'm Not Drinking,Hm Hm"、「俺はキリストを信じているけれど、修道女を殴る」という歌詞が楽しい大合唱のアカペラソング"Caucasian Spritual"、友人が大勢参加して大盛り上がりのエレキギター、ベース、ドラムが唯一使われている曲"Lawyers & Truckers"、そして、レストランで一人過ごすやさぐれクリスマスソング"Christmas in Vermont"(この曲をクリスマスに聴けてよかった。)等面白い曲ばかり。
涙と笑いの全18曲52分44秒


あと、キム・ディールは彼らに相当影響を受けていると思う。
"Bad Coffee"なんかアンプスの名曲"Full On Idle"の雰囲気とそっくりだし。ERQが主催していた「Ed's basement」というイベントにキムは客として何回か現れたらしいし。彼女はERQの「Drivin'on 9」をカバーしているし、キャリーはブリーダーズのアルバムでバイオリンを弾いているしね。
ということでキム好きは必聴。