かぞくのひけつ ★★★★★

滅茶苦茶面白かった!
笑いでくるんでいるからこそホロリと切なさが伝わるし、笑い→切なさ、笑い→切なさ…の緩急で揺さぶられて最終的に良い気分になれる。なんて素晴らしいのだろう。本作を見て「俺たちフィギュアスケーター」って切なさがなかったなあと気づいた。
奇を衒わなくたってこんなに面白い映画ができるんだね。強いていえば奇を衒っている漢方薬屋も演じているのがテントで、その演技が彼の芸風そのものだから全然問題ない。テントそのものが奇天烈な面白さだもん。あと、フォローになっていない励ましの言葉を脚本として書けるって結構凄いことだと思った。双方の心理を把握していないと書けないし、なおかつそのフォローのずれが観客に伝わらなきゃいけないんだから。
愛人役のちすんがとてもキュートで気に入った。彼女の関西弁って艶かしくて大好き!これからも沢山映画に出て欲しいなあ。
個人的に去年十三に住んだことがあったっていうのと、主人公の名前が自分にそっくりっていうのと、俺も童貞なのに膿が出て性病かと恐怖した過去があったっていうのが相俟って三倍楽しめた。